絵が下手でよかったのかも?

銭湯の件だけでなく、

私はこれまでの人生で、

何度も、それこそ本当に何度も

同じようなことを教えてもらってきた気がします。

小さなことのようだけど、

銭湯の話しは当時の幼い私には大きな思い出になってます。

何度も同じようなこと・・・それは、

「人を信じる」

ということ。

でも・・・

一回教えてもらったくらいでは、私はなかなかわからない(笑)。

だから、また別の場所で、時期をずらして

同じようなことが起こる。

「ああ、またこれか」

って、あとから気づく。

残念ながら、後からなんです。

そんなことを何度も繰り返してきました。

そして、私は教師になりました。

……ところが。

ここから、ちょっと幻滅してほしい話です(笑)。

初めて教師になった頃、とても勉強が苦手で、おとなしい男の子がいました。

何をやっても、あまり目立たない。

ぼんやりしているようにも見える。

ある日、美術の時間に、その子が細かい絵を描いていました。

私は美術の先生に、

「あいつは、そんなもんだろ」

と言ったんです。

……今思うと、

何様やねん(笑)。

ところが・・・

その子が色をぬって完成した絵を見たら、びっくりしました。

めちゃくちゃ細かい。

レンガみたいな小さなマスを、一つ一つ違う色でぬっている。

ものすごく丁寧。

私なんかより、ずっと上手でした。

すると美術の先生が、

「山田先生!『あいつはそんなもんだろ』って言ったけど、ここまであの子は描けるんですよ。先生はわかってないでしょうけど」

って。

……はい。

その通りです(笑)。

私は、その子のことをわかったつもりになっていただけでした。

でもね。

これ、実は私が中学2年生のときにも、似たようなことがあったんです。

私は、ものすごく絵が下手でした(笑)。

もう、殺人的に下手。

美術の時間が嫌で嫌で仕方なかった。

ある日、「自由に絵を描きなさい」という授業がありました。

私は一生懸命、絵を描いていた。

すると先生が私の絵を見て、

「山田、何描いてる?」

と聞いてきた。

私は、

「森で寝転んで、上を見上げた風景のイメージです」

と答えた。

すると先生、

「ふん」

と笑って、そのまま行ってしまった。

……若くて、とっても美人の先生でしたけどね。

後ろから蹴ってやろうかと思いました(笑)。

でも・・・

教師になった私は、その先生と同じことをしていたんです。

自分がされたことを、今度は自分が生徒にしていた。

いやあ……。

これは、ホンマに恥ずかしい。

人生って、あとから答え合わせが来るんですね。

これも、1回目で私が腹からわかってたら・・・

なかったことかもしれないな