あの日、もらった一冊の本

小学生の頃、母が一冊の本を買ってくれました。

『泣いた赤鬼』

その本を読んだ時、私は青鬼の優しさに涙が止まりませんでした。

赤鬼を思う気持ち。

相手の幸せを願う姿。

「こんな人になりたい」

まだ小さかった私の中に、そんな願いが生まれました。

でも、その時の私は知りませんでした。

その小さな感動が、何十年後の自分の生き方につながっていくことを。

教師になり、たくさんの人と出会いました。

うまくいかないこともありました。

苦しいこともありました。

自分を責めたこともありました。

でも今、振り返ると、

その一つ一つが、私の中に残った灯りだったのかもしれません。

人生には、

その時には意味がわからない出会いや出来事があります。

「あれは失敗だった」

「あれは苦しかった」

そう思っていたことが、

何年も何十年も経ってから、

「ああ、このためだったのか」

と気づくことがあります。

最近、思うことがあります。

私たちは人生の途中で、

置いてきた自分を迎えに行く旅をしているのかもしれません。

傷ついた自分も。

迷った自分も。

失敗した自分も。

本当は、ずっと一緒に歩きたかった仲間なのかもしれません。

あなたにも、

ずっと心に残っている言葉や、本や、出会いがあるかもしれません。

もしかすると、それは今も、

あなたの人生を照らしている小さな灯りなのかもしれません。